項目 作業項目 写真1 写真2
写真3 写真4
何故薪ストーブなの @寒さには勝てない 60代後半になると、寒さが身に染みる。

第3発電所は余剰売電なので、寒くても晴れればエアコンをガンガン使えるのだが、天気の悪い日は如何にもならない。
籾殻燻炭を作るために作ったロケットストーブがあるので、部屋に置けるものが作れないかと、以前から考えていたのだが...

如何せんロケットストーブは、焚きはじめに焚口から煙がでるので、部屋に充満してしまうのでNG。
A樫の木の伐採
2015.04予定
長年の懸案だった隣地の樫の木の大木、幸い別件で地主と連絡がとれ伐採の承諾を得た。
伐採は大宮の「空師」、熊倉林業さんにお願いしている。
薪について 伐採した樫木は如何するかと一寸調べてみたら、何と「薪の大様」で備長炭に使われている事が判明した。

と言う事は、極上の薪になると言う事なのだ。
となれば、当然薪ストーブでしょうね。
丸太の処理
2015.03.06現在
隣地に今までに伐採してきた丸太がゴロゴロしています。

樫木の伐採すには丸太を片付けて、作業スペースを確保しなければなりません。
ストーブについて 鋳物か鋼板か 以前、物置で鋳物製の達磨ストーブを使っていたが、ガンガン燃やしたら鋳物にヒビが入ってしまったのだ。
なので、欧米で使われている鋳物ストーブは使いたくない。
それで日本製で「煙の出ない薪ストーブ」を検索したら、鋼板の薪ストーブを作っている「モキ製作所」の薪ストーブがヒットした。

欧米のインテリアの置物としては難があるが、高温燃焼で煙が少ない(焚きはじめだけ)との事。
@松・杉・檜など針葉樹もOK。
A竹もOK。
B解体の材木もOK。
それで「モキ」決定です。
スペックの選択 置き場所が狭い玄関土間なので、
@IILA(縦型斜め燃焼)
AMD80U
の2種類でしょうか。
メーカーに熱量を問い合わせたら、@が9000Kcal Aが19000Kcal
と言う事なので、薪が多く入るAのMD80Uに決まりです。
MD80Uとは、どの様なストーブなの 掲示板などでモキストーブの情報を検索すると、悪い情報ばかりであまり良い情報が見つからない。

ちょろちょろではダメ、焚き方が不味いのであろう。
私の場合、ロケットストーブでガンガン燃やした経験で...
この会社は焼却炉を製作している会社なので、その設計思想や背景を理解する必要があると思う。
この薪ストーブは、
@ロケットストーブの様に気合を入れて焚いて、ゴーゴーと音が出るくらいに燃やすのがポイントかなア〜。
Aガツンと焚いて、その後は空気調整して熾火のまま放置→→鎮火。
と言うような焚き方でOKかも。

とすれば、見張りをする必要もなく、手間のかからないストーブで作業に専念できると言う訳。
施工 相手は薪ストーブ火事になったら大事、工事業者は信頼・実績のある方じゃないとダメ。
特にこのストーブは高温になるので...

メーカーに登録されている代理店は、栃木県では日光市今市の「国府田産業」さんだけ。
「社長のブログ」も拝見しましたが懇切丁寧な説明もさることながら、国府田(こうだ)さんの対応の早さにはビックリ。
小屋裏の状態が解らず難しい工事で申し訳ないのですが、施工をお願いする事にしました。
煙突工事
2015.03.10
今風の家でリビングに置くならともかく、昔づくりの入母屋では玄関の土間に置くしかない。
と言う事で、業者さん泣かせなのである。
(屋根穴あけ) とにかく、やってみるしかない。
でも、屋根の谷の部分は避けたい。
瓦を外して野地板を切断。
野地板に穴が開きました。
次は天井のどの部分を空ければ良いかなア〜。
(天井穴あけ)
(煙突本体) 「国府田(こうだ)」さん曰く、「煙突はピンキリだが木材の低温炭化・煙道火災を考慮すればお金をかけた方がいい」。
欧米の伝統はないが技術の日本製「メトス」、素晴らしい仕上がりの断熱2重煙突です。
(煙突取付け)
煙突工事完了 玄関の隅棟が邪魔をして、一時は如何なる事かと...
谷の部分と隅棟の間に収まったので、ほんと良かったなア〜。

鉛板を敷いて、雨漏りも完璧。
(天井) ピッタリ格子にハマったので、違和感なし。

難解な後付工事で、上手く施工出来たものです。
(土間) 耐火壁工事は間に合わなかったので、ロケットストーブを作った時の余った耐火煉瓦を仮積みして、石膏ボードの保護。
試し焚き
2015.03.10
早速、確認のため試し焚きをしましたが、立ち上がりの早い事...
着火後10分足らずで天板の温度が200℃、流石に鋼板ストーブならではですね。
裏を返せば冷めやすいと言う事になりますが...
そもそも鋼板製のこのストーブは、気密性の悪い作業場でも使用されているとの事で、我が家の様な隙間風のある木造の家には最適なのでしょう。 思い通りの燃え方で、強力な輻射熱効果で屋根裏部屋も20℃以上にする事ができるでしょう。

この技は1台くらいのエアコンでは到底不可能。
本焚きが楽しみになりました。
期待しましょう。
お清め
2015.03.13(大安)
昔我が家にも「かまど」があって、お札が貼ってあった。
薪ストーブも「かまど」の神様と言う事にして、お清めせねばなるまい。

神棚の三方と同じく、真ん中に米の代わりにお酒、右に塩、左に水で良いかなア〜。
煙道火災 薪ストーブを扱う中で、注意を払わなければならないのは、
@床および壁面の低温炭化
A煙突の煙道火災
の2点でしょうか。
一番恐ろしいのは煙道火災で、最悪(タールがビッシリ)の場合、火力が強いので煙突が1000℃にも達するそうです。
チマチマ燃やすと燃焼温度が低いため、煙突内がこの通り煤(タール)が一杯。
最終的には、この通りになるでしょう。

「煙が出る=煤(タール)が付着する」と言う事を肝に銘じて、薪ストーブを楽しみたいものです。
耐火壁(防熱板) (煉瓦類) 薪ストーブで良く見かけるのが、煉瓦による耐火壁。
でもねエ〜。煉瓦は幅があるし高さも約2m程積まなくてはならないので、狭い玄関土間だと威圧感と言うか圧倒されそうなので如何なものか...

それと煉瓦類は蓄熱暖房にも使われている様に、熱を溜め込むので低温炭化の事を考えると嫌だなア〜。
木材の発火温度は約450℃、100℃以下の低温の熱でも長期間加えられる事で乾燥→炭化し、約150℃位でも発火する事があるとの事。
熱を伝えない工夫  @ストーブと壁との距離を十分とる。(煙突の場所が決まっているので難しい)
A断熱ボードを設ける。
Bスペーサーで壁と防熱板の間に10mm以上の間隙を設ける。
C壁面に通気性の良い空間をつくる。
以上でしょうか。
(珪酸カルシューム板) 高温断熱ボードで検索するとイソライト工業の「シリカボード」がヒットした。
高温炉で耐火断熱煉瓦の外側を覆うため使用されている様だ。

シリカボードは650℃、スーパーボードは1000℃に耐える。
蓄熱量は、耐火煉瓦の1/10との事、加工性にも優れているので丸鋸で切断可能。
となれば見栄えは今一だが、これを使わない手はない。
モキの薪ストーブは、一番高温になるのが二次燃焼する後ろ側で、500℃以下で焚いていれば650℃まで耐えるシリカボードで十分でしょう。
(造作) 2015.10.XX ボードを触ると白い粉がやたらと付く。
電気炉など高温になる炉の断熱用の内装材と言う性格から、表面処理がされていない。
漆喰塗り
2015.10.XX
何で表面処理するか、ちっと考えた。
炉壁は直接炎が当たる訳でもないので、不燃性の漆喰で十分であろう。
という事で、下地用の漆喰を薄めて粗目のローラで塗ってみた。
表面に凸凹が出来て、見た目もバッチリじゃん。
  2015.10.XX
一工夫(改良) 1)ロストル 
2015.03.
MD80Uにはロストルが無い、試しにロケットストーブで使用しているロストル(火格子ひごうし)を薪ストーブに使ってみた。 薪や灰とか熾きに邪魔されず、手前の吸入口からの空気が薪全体に万遍なく供給されるためか、空気の量をかなり絞っても燃焼はバッチリ。
(製作)
2015.03.31
そうなれば、窯の大きさに合わせて作るしかないでしょう。
材料:
@直径7mmφのステンレス丸棒
A幅20mm厚さ3mmのステンレス平板
B8mmφのステンレス皿ボルト(足用)
(サイズ) ・長さ:330mm(材料が1mなので3等分)
・幅:200mm
・スリット間隔:20mm

スリット幅は狭いと小さな熾きが目詰まりするし、広過ぎると中くらいの熾まで落ちてしまうので20mmが適当でしょうか。
それから軟鉄・鋳物もダメ。
熱で変形、酸でボロボロになる。

これはロケットストーブでの経験から...
2)ダンパー
2015.04.09 
煙突は45度の曲りはありますが、ほぼストレートなので排煙の力(ドラフト)が強力と思われる。

なので、窯の温度を上げるためにもダンパーを調節して、ドラフトを抑えてみようかと...
3)炎をブロック
2015.04.09 
このストーブを作っている社長さん曰く、完全燃焼のためには「空気を対流させる事」と「高熱にすることが大事」と仰っておりますが... ちょっと炎の流れが気になるのだ。
プレートの穴に吸い込まれるのではなく、大部分の炎がプレートの下に流れ込んで直接煙突に向うのです。
此れだとプレートの温度が上がりにくいかも...
こんなイメージです。
耐火煉瓦の隅を削ってプレートの下をくぐる炎をブロックして、プレートの穴に導く事にした。

耐火煉瓦の横をくぐる炎(黄色線)は、工作できないのと対流の事を考えるとそのままですね。
運用 焚き方 [準備操作]
@ダンパー:全開
A吸入口間隙:20mm以上
 
扉は半開きのまま、天板の温度が概ね100℃になるまで、一気に焚く。
ロケットストーブの様に、ゴーゴーと音がします。

100℃を超えたら、扉を閉める。
  (熾火) 此処まで焚くと煙は殆ど出ない。

この状態で熾火を沢山つくる事がポイント。
 
  巡航運転
2015.04.07〜08 
[操作]
@ダンパー:45度
A吸入口間隙:約10mmにセット
住宅密集地ではないので、煙はあまり意識しなくても良いのですが、煙は極力出したくない。

そうするとこう言う焚き方になる。
(窯の内部) 耐火煉瓦をモキプレートの下に置いた事で、大部分の炎がプレートの穴に吸い込まれるようになった。
  でもねエ〜。

この焚き方だと、工場とか作業場だと良いのでしょうが、うちの玄関土間では暑くて堪らない。
2015.10.XX 茂木の薪ストーブの普及販売を手掛けている「株)愛研」の大屋さんに改造の話を持ち掛けた。

[回答]:
MD80Uの焚き方はイメージ図の感じで、極力空気を絞る...とのご指導を受けた。
炎は「ゆら〜り・ゆら〜り」状態になるが、燻りが増える事によりガラス面の曇りが気になる。 以前と変わった事。
@燃費が格段に良くなった。
A煙の量も無煙ではないが気にならない。
B350〜400℃での巡航運転が可能。
C茂木プレートの温度も500〜600℃を維持。
  もう一工夫
2015.10.XX
そこで覗き込んで、MD80Uの構造を確認してみる。

ガラス曇り防止板を最大限生かすために、思いついた工夫は此れ。
それと執念深いかもしれませんが、2次燃焼を起こすには...

以前作ったロストルは、邪魔なので撤去。
 
  (結果) 天板の温度が100℃を超えると、奥の方で2次燃焼が始まる。
巡航運転(その2)
2015.10.XX
吸気口の間隙(約10〜5mm):
ダンパー(略全閉の約80度):
天板の温度見合いで調整(350〜400℃を維持) 全閉(90度)にすると、部屋が燻り臭くなるので80度が限界でしょうか。
    動画と違い炎が解りにくいのですが、非常に綺麗な炎です。

ガラス面の燻りによる曇りも略皆無、一寸した一工夫でこんなにも変わるとは...
  各部の温度
2015.10.XX
火持ち 2015.11.11  現在使っている薪は、ロケットストーブ用に作ったものなので、20Cmと短く且つ直径も5Cm位と細い薪。
今までだったら朝には、熾きも燃え尽きて窯が冷たくなっていた。
夕方灰を減らそうと灰をあさっていたら、真っ赤な熾きが出てきた。

今回の一工夫で空気をかなり絞れる様になったので、熾火が残る様になったのでしょう。
  (天板の温度) 17:00現在で約80℃。
最後の薪の投入から、20時間経過しているのに...
灰の威力って、凄いですねエ〜。
これじゃ、ロストルは必要ないですね。
暖房の範囲 (部分暖房) 天板の温度が350℃以下でも何とかなるが...
 (家中暖房)
2015.11.27
家中暖房となると、天板の温度は400℃±50℃でしょうか。
400℃に達すると輻射熱+遠赤外線が急に増加する様です。
トイレ以外は扉を開けっ放し、何処に居ても薪ストーブの恩恵を頂けると言う訳。
鋼板製ストーブで大正解、鋳物製ストーブだと割れますね。
目的は? 2015.11.27 オーロラ炎を楽しむのも良いでしょう。
いやいや勿論私は、家中「ポカポカ」暖房ですね。
となれば、茂木の薪ストーブは理に適っている素晴らしい薪ストーブだと思います。
総評 (工夫により)
2015.12.09
@燻りによるガラス面の曇りが略皆無。
A空気を極力絞れるので、燃費が格段に向上。

[フルパワーでなくても、天板の温度が200℃以上になれば...]
B茂木プレート+2次燃焼で、焚き付け時を除けば略無煙運転。
C何処にでもある、針葉樹・竹を燃料にできるのが最高(松は400℃以上)。
茂木プレートもバッチリ働いてくれている様です。
薪投入時の2次燃焼用パイプから噴き出す炎は、凄まじい勢いで燃焼しています。
これは2次燃焼により、燻り=煙が減少すると言う事になりますね。

茂木製作所さん、もともとの性能+一工夫で、素晴らしい最高の薪ストーブに変身しましたよ。
  (MD80Uの魅力)
2015.12.09
@操作性:
何と言ってもMD80Uは空気調節バルブが1個なので、「バカチョン」と言いますか扱いが非常に簡単なのが良いですね。
A保守性:
MD80Uは構造がいたってシンプル、壊れる部品も交換する部品も無いので費用”0”。
MD80Uは、MD140Uの廉価版の位置づけなのでしょうけど、一工夫を加えた事で性能はMD140Uの上(自己満足)。

言う事なし、とにかく素晴らしい薪ストーブです。
改良Ver2 熾火が...
2016.01.20
2016.01.18(月)は、雪で午前中から12時間以上焚き続けた結果、熾火が溜まり過ぎて400℃±50℃の巡航運転ができなくなってしまった。 2次燃焼も良いけど、長時間運転するには一寸不味いなア〜。
   (熾火の完全燃焼)
2016.01.22
熾火の溜まり過ぎを解消するには、完全燃焼させるしかないでしょう。

このように2次燃焼用の空気を熾火の下に送れば、熾火を完全燃焼させる事ができるでしょう。
   (ロストル製作) 熾火が灰に埋もれない様にするには、やっぱりロストルが必要だよね。
ステンレス丸棒とステンレス板を溶接して、片方が出来上がり。
  (試し焚き)
2016.01.23
試し焚きの結果は上出来、ロストルがある右側は燃え残りなし。
  (改良Ver2の完成) ロストルの下から空気がふんだんに送られているため、鍛冶屋さんの炉の如く、高温燃焼状態です。

熾火の嵩も高くならないし、最高の状態で400℃±50℃の巡航運転が出来る様になったでしょうか。
余談 耐熱グリス
2016.01.24
120gで3000円と一寸高価だが、1400℃に耐える耐熱グリス。

2次燃焼用パイプの取り外し時、高温で酸化してパイプが回らない。
このパイプが外れないと、C型鋼を取り外す事が出来ず灰取りが出来ない。
高級機並に 2016.02.02 補助燃焼装置の製作 色々と工夫を凝らして来たが、メンテナンスが気に入らないので、作り直す事にした。
   
[薪ストーブ モキMD80U]
[補助燃焼装置へ]
☆工作物
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